スケッチ作品
兵庫県西宮市
今津灯台 阪神甲子園を出て目的なく南へと歩いていった。酒蔵通りがあるんだなあと思いながら大関の大きな工場を見ながら南へ南へ。今津灯台は移設されてここにあるらしい。やたらすっきりした中にぽつんとある小さな灯台。 その左向こうに町並みがが見えるのは西宮の人工島の町並みだとわかってちょっとびっくりだった。ものすごいいい天気の暑い日だった。
JR甲子園口駅を西へ数分歩いたところにある「まんぼうトンネル」。本当に小さなトンネルで大人はかがまないと通れない。小人の国にきたみたいでおもしろい。レンガで固められた入り口が古さを感じる。スケッチしている間 たくさんの人たちがここを利用していることがわかった。 みんな入り口でまず立ち止まり奥を覗き込む。最初はあまりに小さくて暗いトンネルなんでたじろいでいるのかと思ったけどそんな理由じゃないとわかった。
この小さなトンネルは行き交うことができないため前方から人がこちらに来てないかどうか確かめているのだった。 信号があるわけではないけど暗黙の了解でみなさん自動的に立ち止まって交通整理をしているんだなあ。ちなみに最初は水路だったそうだ。
素戔嗚神社 これなんて読むんや???すせんめい神社??ぶさいくな読みやなあ・・・と読めないまま描いてました。この神社も背後にドーンと球場のライトがあるので このコンビネーションが気に入ってかくことにしました。
しばらくしたらふーてんの寅さんそっくりさんがきました。つけほくろまであって革のトランクケースを持ってました。出雲からはるばるきたようです。 さすがに出雲からこられただけあり、私が神社の読み方がわからんというと 読み方もわからんで描いてるのか!と笑われました。 すさのお神社! スサノオノミコトならカタカナで見てたわ!スセンメイ神社か??とツイッターに書いてアホ丸出しになってしまいました。
寅さんはとても気さくな人でした。「今日はこれ着るんや みんなにはやめとけ 死ぬぞと言われてるんやけどな」 見せてくれた写真には めちゃくちゃリアル虎姿がいました。確かにこれきて この猛暑を数時間過ごすのは命にかかわりそうです。 すごいです。 スケッチが終わったころ 球場は賑やかになってきてたくさんの黄色と黒の人たちがいっぱいいました。
profile
クレイドールと旅スケッチの作家 ごとうゆき
子供のころは看護師さんになりたいと思っていました。怪我した人に寄り添って治っていくお手伝いをするというお仕事がとても魅力的でした。それがどこでどう間違ったのか全然違う方へと進んでいき、時に立ち止まりながら、いくつかの仕事を経て気がつけば数えきれないほどの人形を作るクレイドール作家になっていました。 クレイドール作家として活動を始めてからも、これで良かったのかなと、また何度か立ち止まって自問自答しましたが、不思議とやめたいとは全然思いませんでした。
それどころか時々開催してきたクレイドール展示会では、たくさんの人の笑顔を見せていただけ時に涙も見ました。自分の作った人形を通じて人を癒すことができるならこんな素敵なことはない、人生をこれにかけていいと思えました。2002年ごろから我流で作り始め現在に至ります。またその2年後から本格的にスケッチも始めました。こちらも我流ですが、必ず現地に赴き現地に立って描き終えることにしています。なぜなら現地に立ち続けることでそこの空気を存分に楽しむことができるからです。クレイドールのタッチとスケッチのタッチが全然違うとよく言われます。しかし私の中ではこのふたつは連動しているようです。スケッチをしている時、私の身体は透明になって日常の小さな平和や小さな感動を吸収します。そしてその吸収したものをクレイドールに込めてニコニコしながら作りあげるのです。
これからもきっと身体が動く限りスケッチを描き続け、クレイドールを生み続けたい、そしてそれをたくさんの方々に楽しんでいただきたいと願っています。
経歴
- 1967年
- 兵庫県明石市生まれ 関西学院大学法学部卒業
不動産業、建築設計業を経て、住宅店舗の内装会社でインテリアデザイナーとして従事 - 2000年より
- イラストレーターとして活動開始
- 2002年より
- 我流でクレイドールの制作を開始
- 2004年
- 本拠地を東京に移す
- 2007年
- 北京のあちこちを独り歩き旅 クレイドール制作の他にスケッチを始める
- 2011年~2021年
- 日本各地の疏水をスケッチする
- 2021年
- 本拠地を神戸に移す
主な個展
- 2006年
- 兵庫県神戸市 コープ神戸シーア クレイドール展
- 2009年
- 同上
- 2012年
- 宮城県石巻市、南三陸町 東日本大震災被災地 クレイドール巡回展
- 2014年
- 兵庫県神戸市 神戸新聞ギャラリー 人形展
- 2015年
- 兵庫県明石市文化博物館 クレイドールとスケッチ展
- 2017年
- イタリアフィレンツェ クレイドール展
- 2019年
- 香川県坂出市民美術館 クレイドールとスケッチ展
- その他
- その他 毎年 明石、神戸、東京の各地 クレイドール展・スケッチ展
主な著書
「北京へいきたい!」 メイツ出版 発行
北京のすみずみを一人旅して描いたオール手描きガイドブック
「小さな暮らしのおそうじ&お片付けマップ」 すばる舎 発行
東京でのアパート暮らしの実体験とかつてのインテリアデザインの知識を活かして描いたイラスト満載の掃除のノウハウ
主な取材
東京新聞・朝日新聞・神戸新聞・ラジオ関西・河北新聞・三陸新報・関西学院大学・四国新聞・練馬区報・練馬人図鑑・VOA (パキスタン)