ブログ
6月7日 納期大失敗
あってはいけないことが起きた。私は東京でスケッチの仕事をしていた。その時クレイドールの仕事のクライアントさんから電話が。
「人形どんな感じですか?」と聞かれたので現状を説明すると、なんと「納期は今日だったんだけど」と言われて目の前が真っ黒に、、、、
私のミスだった。何を勘違いしたのか、あと1週間あると思いこんでいた。作りかけのクレイドールは今神戸にある。東京のスケッチの仕事も今完成させないとこっちも間に合わない。
不幸中の幸いといえばいいのか 納期は今日だが実際使用する日は週明けの月曜日らしい。それでも今から神戸戻って続きを作って 神戸から東京に送るというのは相当ハードルが高かった。
時間短縮のため自分が新幹線で往復すればまだ少しはマシだが往復3万かかるしなあ、そうしたところで月曜日に間に合うのか?とこの場に及んでそんなことを心配する私。
頭冷やして考え直した。とにかくゴールは一つ。 「月曜日に絶対納品完了する」
東京のスケッチ終わったあとすぐ神戸に帰って徹夜でクレイドールを制作、土曜日日曜日はアルバイトの人に来てもらって手伝ってもらって日曜日の朝4時 完成した!
1時間だけ仮眠して 出来立ての作品を抱えて新幹線に乗り込み目的地へ。
クライアントさんがすでにいらした。 滑り込みセーフで平謝りに謝り 作品をそっと出した。 どこも壊れてなく無事だと確認し一安心。汗が噴き出て額も背中もびっちょりでカッコ悪かったけどとにかく 設営は無事完了した。
確かにあれこれいっぱい詰まってて忙しかったんだけど そんなことは先方さんには関係ないことだし、 それより新幹線代心配したり 納期を伸ばせないか?と最初お願いした自分が恥ずかしくて申し訳なくて。
それなのにクライアントさんはとても感謝してくれて、たぶん私が汗だくだったからか 冷たい飲み物やゼリーやお菓子やらコンビニでわざわざ買って来てくれて恐縮この上なく私も感謝でいっぱいだった。
しかしまあ良い教訓だった。
profile
クレイドールと旅スケッチの作家 ごとうゆき
子供のころは看護師さんになりたいと思っていました。怪我した人に寄り添って治っていくお手伝いをするというお仕事がとても魅力的でした。それがどこでどう間違ったのか全然違う方へと進んでいき、時に立ち止まりながら、いくつかの仕事を経て気がつけば数えきれないほどの人形を作るクレイドール作家になっていました。 クレイドール作家として活動を始めてからも、これで良かったのかなと、また何度か立ち止まって自問自答しましたが、不思議とやめたいとは全然思いませんでした。
それどころか時々開催してきたクレイドール展示会では、たくさんの人の笑顔を見せていただけ時に涙も見ました。自分の作った人形を通じて人を癒すことができるならこんな素敵なことはない、人生をこれにかけていいと思えました。2002年ごろから我流で作り始め現在に至ります。またその2年後から本格的にスケッチも始めました。こちらも我流ですが、必ず現地に赴き現地に立って描き終えることにしています。なぜなら現地に立ち続けることでそこの空気を存分に楽しむことができるからです。クレイドールのタッチとスケッチのタッチが全然違うとよく言われます。しかし私の中ではこのふたつは連動しているようです。スケッチをしている時、私の身体は透明になって日常の小さな平和や小さな感動を吸収します。そしてその吸収したものをクレイドールに込めてニコニコしながら作りあげるのです。
これからもきっと身体が動く限りスケッチを描き続け、クレイドールを生み続けたい、そしてそれをたくさんの方々に楽しんでいただきたいと願っています。
経歴
- 1967年
- 兵庫県明石市生まれ 関西学院大学法学部卒業
不動産業、建築設計業を経て、住宅店舗の内装会社でインテリアデザイナーとして従事 - 2000年より
- イラストレーターとして活動開始
- 2002年より
- 我流でクレイドールの制作を開始
- 2004年
- 本拠地を東京に移す
- 2007年
- 北京のあちこちを独り歩き旅 クレイドール制作の他にスケッチを始める
- 2011年~2021年
- 日本各地の疏水をスケッチする
- 2021年
- 本拠地を神戸に移す
主な個展
- 2006年
- 兵庫県神戸市 コープ神戸シーア クレイドール展
- 2009年
- 同上
- 2012年
- 宮城県石巻市、南三陸町 東日本大震災被災地 クレイドール巡回展
- 2014年
- 兵庫県神戸市 神戸新聞ギャラリー 人形展
- 2015年
- 兵庫県明石市文化博物館 クレイドールとスケッチ展
- 2017年
- イタリアフィレンツェ クレイドール展
- 2019年
- 香川県坂出市民美術館 クレイドールとスケッチ展
- その他
- その他 毎年 明石、神戸、東京の各地 クレイドール展・スケッチ展
主な著書
「北京へいきたい!」 メイツ出版 発行
北京のすみずみを一人旅して描いたオール手描きガイドブック
「小さな暮らしのおそうじ&お片付けマップ」 すばる舎 発行
東京でのアパート暮らしの実体験とかつてのインテリアデザインの知識を活かして描いたイラスト満載の掃除のノウハウ
主な取材
東京新聞・朝日新聞・神戸新聞・ラジオ関西・河北新聞・三陸新報・関西学院大学・四国新聞・練馬区報・練馬人図鑑・VOA (パキスタン)